パリ日本人美容師
パリと日本が拠点の美容師・フォトグラファー。多くの受賞歴を持ち、VIPや著名人、モデルなども顧客。マンション二棟(34戸)を建築・経営中。→詳しいプロフィールはこちら←
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病院に出張カットしに行ってきました。

自分にとっては初めての試みだったのですが、
病院に出張カットしに行ってきました。

こういう施設に出張カットに行くのって専門学生時代に、老人ホームにボランティアでカットしに行って以来かも。。



もう何年も担当させて頂いてるCさんが入院されている病院へ。

Cさんはもう85歳ぐらいかと思う。
(正確な年齢は忘れました。)
 



僕のパリのお店には「97歳だよわたしは!!」
ってアピールしてくる元気なおばあちゃんもいますが。。
(下の写真右、現在97歳。写真の当時は94歳ぐらい??
全くお変わりないです。)


下の写真(左)のおばあさまは100歳になっても来てくださってました。
全くボケたりもせず、エレガントな方でした。


Cさんは日本の僕のお客様では最年長。
母親の仕事の先輩でした。
会う度にホッとしたり、嬉しくなるような存在でした。

Cさんは毎月髪をカット、カラーしに来てくださり、
3ヶ月に一回ほどパーマをあててました。

いつも綺麗にされていて、
それはそれは人徳もあり素敵な方です。

 いつも人の為にって思ってらっしゃるし。

感謝の気持ちがとてつもなくて。。

会うたびに学ばせて頂いてる感覚でした。

今回はここでカットさせていただきました。

 そんな毎月カラーをしているCさんが美容院に来れなくなり3ヶ月が経ちました。
 早く退院して髪をやりにいきたいっておっしゃてたのですが、
なかなか退院する時期が決まりません。。

そこで痺れを切らした担当美容師のわたくし。。

病院に勝手に電話しました。

「Cさんのカットがしたいです。何年も担当している身内のような存在なんです。 」

「はい。どうぞ」

病院の方はあっさり、快く承諾してくださいました。


病室は4名でシェアしている感じでした。
 勝手に病院に電話して、承諾を得てからCさんに連絡。

「明日14時にカットいきますんでよろしくお願いします 。」
※もちろんCさんのごはんや、お風呂、リハビリなどのスケジュールも
看護師さんと確認済みです。

Cさんは、すごく喜んでくだりました。

すごく迷惑な身勝手な美容師の行動ですが、
Cさんとは長い付き合いなので、きっと喜んでくれると思ってました。
(ちょっと不安だったけど。。)



(当日)
ショートカットのCさんの髪は
半分白髪、半分はカラー毛になっていました。
カット中、いつも綺麗にされてるCさんを思うと、泣ける思いがしました。

カラーの根元が半分も伸びてる状態じゃ、いつもみたいには
絶対に綺麗にならない。。

でも少しでも綺麗にしたい。

チョキチョキチョキ

少しでも早く元気になって貰いたい。

チョキチョキチョキ

またカラーやパーマしてあげたい。

色んな気持ちがこみ上げました。



セットして終了。


すれ違う人や看護師さんなどに、あら素敵!!って言われて
Cさんもすごく嬉しそうでした。


Cさんはお支払いしたいとお金を出そうとしました。


断固拒否

「今回はプレゼントのつもりで来たので絶対受け取りません。
その変わり、絶対元気になって、また髪染めに来てくださいね!」

おもいっきりカッコつけて、良い人ぶってみました。

Cさんはすごくすごく律儀な方なので、当然困っていました。

僕もおもいっきり困るのを知っていて、今回はそうするって決めて来ました。
良くなる願いを込めてそうしました。

(感動の一場面ですが、うちのおかんが 隣で「いいのよいいのよCさん」って言っていて、
おい!なんでおかんが言うねん!!って突っ込まざるおえない状況でしたが。。)


夜CさんからLineが入ってきました。

 いつも他人を気遣うCさん。

メールからも人柄が伝わります。。

本当に喜んでくれて嬉しい気分になれました。

自分勝手なおせっかいな行動でも、人の役に立つことはある。

その人との信頼関係があるからこそ出来た事に。

ただのお客様と美容師という関係では割り切れない。
もっともっと身近な存在であるという再認識した日となりました。

「お礼を言わなければいけないのはこちらの方です。」

と僕も感謝のメールを送りました。

早く元気になって欲しいな。



なんかまた美容師として、人として大事な事を学ばせて頂いた気持ちとなりました。



本当に本当にまだまだな自分と付き合ってくださってるお客様や友人達に
今一度感謝。

そしてこれからも成長し続けようって思いました。

そんな忘れたくない1日となりました。



畠山和宏
(2017年4月3日投稿 )



あ、他の美容師の方も、自分の本当に長い大事なお客様が入院された場合は、
病院に問い合わせてみると良いかもしれませんよ。

病院やその患者さんにもよりますが、心から快諾してくれる事もあると思います。
(もちろんご迷惑かけないような迅速かつ、清潔に丁寧な対応をこちらも心がけるべきだと思いますが。)

少しでもお役に立てば。

ではでは。


病院にシャンプー台あればいいのに。。ボソ

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